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養殖の被害甚大 三陸で損失額算定急ぐ(河北新報)

 南米チリの大地震=マグニチュード(M)8.8=に伴う津波で、気象庁は1日午前10時15分、東北太平洋側などに出していた津波注意報を全面解除した。青森、岩手、宮城の3県は警戒対策本部、警戒本部を解散。福島を加えた4県で約32万人に出された避難指示も解除された。岩手、宮城両県では多くの養殖施設が漂流。関係機関が被害確認を急いでおり、被害は今後さらに拡大しそうだ。

 東北太平洋側に2月28日午前9時33分に出された大津波警報は同日午後7時すぎに津波警報に変更。さらに1日午前1時すぎ、津波注意報に変更されていた。

 注意報の解除とともに八戸、宮古、石巻、仙台、相馬の各市など38市町村も避難指示を解除し、避難所に身を寄せていた住民は無事に帰宅した。

 養殖施設の被害は、松島湾から宮古湾までの三陸海岸一帯で確認された。宮城県漁協は「気仙沼湾と女川湾の被害が大きい」とみて県とともに調査。岩手県は沿岸6市町などから情報収集を進めた。被害額の算定には約1週間かかるという。

 岩手県陸前高田市の広田湾漁協によると、カキ、ホタテを中心に1000基以上の養殖いかだが損壊、被害は約5億円に上る見込み。大船渡漁協でも、いかだ約200基が大破し、被害額は2億円を超える見通しだという。

 宮城県漁協石巻市東部支所によると、カキ養殖いかだは、流出やロープが団子状に絡まる被害で壊滅状態。阿部和芳支所長は「5月までの今季用をかなり残していたが、ほぼ全滅。来季用にも被害があり億単位の損失は確実だ」と話している。

 塩釜市でも「ワカメ、コンブの養殖施設のほとんどが被害を受け、ほぼ全滅状態」(宮城県漁協塩釜総合支所)という。

 大量の養殖施設が漂流した塩釜、大船渡両港では28日から1日午後まで、海上保安庁が船舶の航行を禁止した。塩釜港では航路のブイも被害を受けたため数日間、夜間の航行禁止措置を続ける。

 このほか東松島市と福島県新地町で、それぞれ小型漁船1隻が流され水没する被害があった。

 一方、交通機関はほぼ正常化。JR東日本によると、釜石、山田、八戸、大船渡の4線は線路点検のため始発列車4本を運休した後、通常ダイヤに戻った。


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